睡眠時無呼吸症候群 論文

小児における閉塞性睡眠時無呼吸に対する口蓋扁桃摘出術

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成人と同様、小児においても閉塞性睡眠時無呼吸に伴う合併症は多々あります。

具体的には、

・高次脳機能

注意欠陥や多動、集中力低下、感情・行動の不安定性および記憶力・学習能力低下が生じます。

・顔面骨格

いわゆる"アデノイド顔貌"をきたします。

・心血管系

成人と同様、心血管系障害をきたします。

無呼吸低呼吸指数(AHI)の値やその他の合併症も考慮されるが、小児における閉塞性睡眠時無呼吸に対する治療に口蓋扁桃やアデノイドの摘出術がしばしば行われています。

 

今回は、"小児における閉塞性睡眠時無呼吸に対する口蓋扁桃摘出術"についての論文です。

Adenoidectomy for Obstructive Sleep Apnea in Children.

J Clin Sleep Med. 2016 Sep 15;12(9):1285-91.

 

では、論文の要約をみていきましょう。

目的

口蓋扁桃摘出術は閉塞性睡眠時無呼吸(OSA)の小児にとって推奨される治療法である。

口蓋扁桃摘出術単独では有意に死亡率やコストが低いことから、筆者らは閉塞性睡眠時無呼吸を患う小児において口蓋扁桃摘出術がリーズナブルかつ適切であるかどうかを調べた。

方法

ポリソムノグラフィーに基づいて中等度~重度(AHI ≧ 5)のOSAと診断され、引き続きアデノイド摘出術もしくはアデノイド・口蓋扁桃摘出術を施行された515人の小児に対して、残存もしくは再発したOSAに関して17-73か月後(中間値 41か月間)に質問票(PSQスコア)を用いて再評価された。

OSAがの症状に改善がなければ、ポジティブPSQスコア ≧ 0.33と定義した。

アデノイド摘出術やアデノイド・口蓋扁桃摘出術が失敗した際のベースラインにおける年齢や肥満、扁桃サイズ、OSAの重症度の寄与を調べた。

結果

ポジティブPSQスコアは全体の15%に生じ、年齢や性別に影響されなかった。

AHI <10で扁桃サイズが小さい肥満ではない小児において、アデノイド摘出術やアデノイド・口蓋扁桃摘出術の失敗率に差は認めなかった。

AHI ≧10以上および/または口蓋扁桃の大きさが3以上の小児においては、アデノイド・口蓋扁桃摘出術と比較してアデノイド切除術後の不良率が高かった。

結論

アデノイド摘出術の主観的・長期的な結果は、口蓋扁桃が小さく中等度のOSAで非肥満かつ7歳以下の小児においてはアデノイド・口蓋扁桃摘出術と同等であった。

したがって、アデノイド摘出術単独では一部の小児で合理的な選択肢である。

将来的な無作為化比較試験では、アデノイド摘出術単独で恩恵を受ける小児とアデノイド摘出術単独では成功する可能性の低い小児を明確に定義するであろう。

 



 

いかがでしたでしょうか。

小児のOSAに対する手術ではアデノイドを摘出する場合とアデノイドと口蓋扁桃を摘出する場合があります。

一定の条件であれば長期的にみると前者でも後者と同等であるという論文でした。

また、今後の研究次第ではアデノイド摘出のみで恩恵を受ける小児を明確にするであろうという含みを持たせて締めくくっています。

小児におけるOSAは冒頭に述べたように各種の合併症を伴うので、早めに専門家へ相談してください。

 

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